Voice
法人 / 多院展開 / 選択と集中 / 福岡
九州エリアで3院を展開する医療法人の理事長。
経営資源の集中化を目的に、うち1院を第三者承継。収益構造の改善と組織強化を実現。
3院を展開していましたが、うち1院が他の2院と比べて立地条件や患者層において明確な差があり、収益性で苦労していました。経営資源(人材・資金・経営者の時間)を強みのある2院に集中投下することで、グループ全体の成長を加速できると判断しました。
法人の場合、株式(出資持分)の譲渡か事業譲渡かという選択があります。税務上の影響、従業員の承継方法、取引先との契約関係など、個人クリニックの承継より複雑な論点が多い。専門家チーム(M&Aアドバイザー・税理士・弁護士)が連携して動いてもらえたことが不可欠でした。
財務的な支払い能力は当然ですが、それ以上に「この院を大切にしてもらえるか」を重視しました。スタッフ10名の雇用継続が絶対条件でした。また、既存患者さんへのサービス水準を維持できる診療方針を持っていることも確認しました。
最初の相談から契約締結まで約8ヶ月でした。法人案件の場合、デューデリジェンスに時間がかかります。財務・法務・労務・医療コンプライアンスの各面から詳細な調査が行われました。途中でいくつかの懸案事項が浮上しましたが、専門家チームが迅速に対応してくれました。
3ヶ月の引き継ぎ期間を設定し、私自身も週2日は当該院に顔を出しました。スタッフが新経営陣に慣れるまでのサポートと、主要患者さんへの直接ご挨拶を行いました。新理事長の先生が非常に誠実な方で、スタッフとの信頼関係を早期に構築してくださいました。
2院に集中した結果、各院の院長の経営参画意識が高まり、売上は18ヶ月で合計25%増加しました。人材育成にも投資できるようになり、幹部スタッフが育っています。「選択と集中」が正しかったと確信しています。
複数院を持つことは強みにも弱みにもなります。定期的に各院のポートフォリオを見直し、経営資源の配分が最適かを検討することをお勧めします。売却は「失敗」ではなく「戦略的な意思決定」です。事業の選択と集中によって、残るクリニックをさらに強くできます。